寒い時期の歯の痛み、原因は?
1月も中旬に差し掛かり、次第に冷え込む季節となってきました。
冬になると寒さが原因となり引き起こされる歯のトラブルが増加してきます。
この時期によく相談をうける症状をまとめましたので、心当たりのある症状がないか参考にしてみてください。
寒さにより引き起こされる歯の痛み
1.知覚過敏
寒い時期に相談を受ける件数が最も多い症状が知覚過敏です。
知覚過敏自体は冷たいものを食べたり飲んだりした際に、どの季節でも起こる症状です。
しかし、冬になると気温が下がることで歯に触れる外気が冷たくなったり、水道水の温度が他の季節に比べて低くなったりするので、知覚過敏になりやすくなります。
ですので、普段はそんなに冷たいものを気にしていなかった人も冬になると急に知覚過敏の症状を感じられたりします。
ご自宅でできる対処方法としては
・マスクをつけることで歯と外気ができるだけ触れないようにする
・水道水の温度設定を少し温かくする
などが挙げられます。
しかし、歯周病で歯ぐきが下がってしまっていたり、そもそも虫歯になってしまっている場合などは対処しきれませんので、症状がひどい場合は歯科医院に相談しましょう。
2.食いしばり
意外と多いのが食いしばりによる歯のダメージです。
季節の変わり目に気温が下がってくると、寝る際の部屋の温度が急に低くなります。
そんな時期にエアコンの温度設定が低かったり、薄着で寝たりしてしまうと体が温度の変化に対応できず、寝ている間に無意識に食いしばってしまいます。
寝ている間に食いしばっていると、朝になり歯が痛くなったり、歯が浮いたような違和感を感じるようになります。
食いしばりが常習化してしまうと、「咬合性外傷」という状態を引き起こし、顎関節を痛めてしまったり、最悪の場合歯が割れてしまうこともあります。
また、お口の中の症状以外ですと、起き掛けの頭痛や肩こり、倦怠感などといった症状も出ることがありますので、寝ている間の食いしばりは解消しておくに越したことはありません。
このような症状を予防するために最も大事なのは「就寝時の体温管理」です。
部屋の温度を快適にするのはもちろん、寒い季節に対応できるナイトウェアなどを着るようにしましょう。
それでも食いしばりがあるような気がする方はナイトガードという寝ている間にお口の中に装着していただくマウスピースを作るのが望ましいので、気になる方はいつでもご相談下さい。
3.鼻づまり・鼻炎
鼻の症状が歯に影響を与える、と言われるとピンとこない方が多いかもしれません。
しかし鼻と口は非常に近い位置にあるため、お互いに影響が出やすい部分となっています。
特に上の奥歯は鼻の症状の影響が出やすい部位になります。
頭蓋骨には目の下、頬骨の内側あたりに「副鼻腔」という大きな空洞があります。
その空洞の下の部分は上の奥歯の根の先に非常に近く、人によっては薄皮1枚で隔てられているほどです。
鼻づまりや鼻炎により副鼻腔にひどい炎症が引き起こされると、その近くにある奥歯にも違和感や痛みが出ることがあるのです。
そういった方の場合、むし歯や歯周病がなくても歯に症状が出ることがあるため、歯科治療では症状が改善しない場合があります。
鼻の疾患が原因で歯に症状が出ている可能性がある場合は耳鼻科に相談するのがよいでしょう。
しかし、患者さんご自身で歯の症状の原因が歯自体なのか鼻なのかを判別するのはほぼ不可能です。
歯科で撮影するレントゲンでもある程度は副鼻腔の炎症の有無はわかりますので、その症状が歯からくるものなのか鼻からなのか分からない場合は歯科に相談してみましょう。
寒い時期は歯だけでなく全身の体調も崩しやすくなります。
しっかりと体調を整えて、これから1年すこやかに過ごせるようにしていきましょう。
本年もむしあけデンタルクリニックをよろしくお願いいたします。