虫歯の予防はどうすればいいの?
「虫歯の治療を受けるのが好き!」なんて人はあまりいないかと思います。
できれば一度も虫歯治療を受けず、平穏に暮らしたいですよね。
そう思って一生懸命歯磨きを頑張っていたのに、いざ歯科検診を受けると虫歯で引っかかった・・・なんて人も少なくないはず。
「こんなに頑張ってるのに何で虫歯になっちゃうの?」
という経験がある人は一度虫歯予防のための生活習慣を振り返ってみるといいかもしれません。
1. 「磨いてる」と「磨けている」の違い
歯を磨かないと虫歯になる、ということは皆さん知っていると思います。
では磨いているのに虫歯になってしまうのはなぜなんでしょう?
・歯ブラシの選び方
まず歯ブラシ選びですが、毛先が柔らかすぎるものを選んでいませんか?
毛先の柔らかい歯ブラシは使用感が心地よく、歯茎のケアには適しているのですが、その一方で歯の表面にこびりついた歯垢(プラーク)を除去するのには適していません。
磨く際の目的に応じて最適な硬さのブラシを選ぶようにしましょう。
・磨く順番
そして磨き方ですが、皆さんはいつもどこから磨き始めて、どんな順番でブラシを当てていっていますか?
この順番がしっかり決まっている方は問題ないのですが、なんとなく全部磨いている、という方は要注意です。
自分なりに歯を磨く順路を決めてもらって、その順路を守るように磨いてもらうと、磨き残しや磨き忘れる部分を減らすことができますので、これを機にぜひ決めてみてください。
ちなみに私(右利き)は
右上奥の外側→上の前歯→左上奥の外側→左上奥の内側→上の前歯の裏→右上奥の内側→右上から左上にかけて噛み合わせの面
右下奥の外側→下の前歯→左下奥の外側→左下奥の内側→下の前歯の裏→右下奥の内側→右下から左下にかけて噛み合わせの面
の順番で磨いています。
利き手によって磨きやすい順番などは変わってきますので、皆さんのベストな磨き方を見つけていってください。
・歯ブラシを当てる力
歯ブラシを当てる力が弱すぎるといくら磨いても汚れは取れません。
適切な圧力でブラシを当てて、しっかりと汚れを落としましょう。
ただし、歯ブラシを当てる力が強すぎると、歯が削れてしまい、知覚過敏の原因になってしまいますので、程よい力で磨くようにしましょう。
力加減がわからない、という方は力が強すぎると音が鳴る歯ブラシなどを使ってみてもいいかもしれません。
しかし使い慣れた歯ブラシを変えたくない方も多いでしょうから、歯磨き指導を受けていただき、実際に体感で覚えていただくのがベストかと思います。
2. 「隠れプラーク」残ってませんか?
歯と歯の間にできてしまった虫歯はとても厄介で、治療の際には見た目より大きく歯を削らなければなりません。
そんな厄介な虫歯の原因になってしまうのが「隠れプラーク」です。
どれだけ上手に歯ブラシを使っても歯と歯の間や磨きにくい箇所には、必ず「隠れプラーク」が潜んでいます。
ブラシの毛先が届かないような狭い隙間には
最近ではこのようなケアグッズもメジャーになってきていますので、すでに使用している方も多いかと思います。
しかし、実際に使用している患者さんのお話を聞くと、効果的な使い方をできている方は少なかったりします。
プラークは意外と頑固な汚れで、フロスを少し通したくらいでは取り切れません。
ですので、フロスや歯間ブラシを使用する際は、器具を歯にしっかりと密着させてプラークをこそげ落としてあげましょう。
3. 虫歯になりにくい食事のとり方
なぜ食事の後に歯の汚れを放置すると虫歯になるのでしょうか。
それには口の中の環境が変わってしまうからです。
普段、お口の中の環境はほぼ中性になっていますが、お食事をするとお口の中の環境が急激に酸性になっていきます。
その後2,30分かけて少しずつ中性に戻っていきます。
お食事のあと汚れを放置しておくと、お口の中の環境が酸性になっている時間が長くなり、長時間にわたり歯が溶けていってしまいます。
ですので、お食事のあとはできるだけ早く汚れを除去し、お口の中の環境をできるだけ早く中性に戻してあげることで、虫歯になりにくいお口の環境を保てるのです。
もし、外食の際やお仕事の都合などで歯を磨く時間がないのであれば、食事が終わった後にお水やお茶など、糖分の入っていない飲み物でお口の中を流してあげることで中性に戻るまでの時間を短縮できるので、ぜひ実践してみてください。
4. フッ素を使って虫歯に負けない歯を育てる
虫歯の予防として非常に有効なのが「フッ素による歯の強化」です。
歯医者さんでいう「フッ素」とは「フッ化ナトリウム」のことで、歯のエナメル質を強化し、虫歯になりにくい歯にしてくれます。
歯磨き粉を選ぶ際は商品に書いてある「フッ素含有量」に注目してみて下さい。
2023年1月から歯磨き粉に使用できるフッ素の濃度がより高い濃度に引き上げられましたので、0~5歳までは1000ppmF、6歳以上は1500ppmFの高濃度のものを使用すると良いでしょう。
また、フッ素の含まれたうがい薬でお口全体にフッ素をいきわたらせる、「フッ化物洗口」も非常に効果的です。
当院ではフッ素濃度の高い歯磨き粉やうがい薬も各種取り扱っておりますので、気になる方はぜひスタッフにお声がけください。
5. 定期的な歯科検診とクリーニング
セルフケアができているかどうかは自分自身では意外とわからないものです。
定期的に歯医者さんに通ってお口のことを気に掛ける習慣をつけていきましょう!
むしあけデンタルクリニック院長
虫明 仁